開発ブログ
シミュレーターやシナリオDBの開発過程、予防安全に関する技術的な知見を記録します。
- 交差点の右直・旋回時対向はなぜ難しいか — CCFtap という事故類型
自車が旋回して対向直進車の前を横切る CCFtap(Car-to-Car Front turn-across-path)の事故類型を解説。試験幾何の概要、Euro NCAP と JNCAP の導入時期の差、旋回中の検知難しさ、2D俯瞰デモとの関連を整理する。
- 開発日誌(3): 2D俯瞰で旋回シナリオを可視化する — 座標系・車両諸元・衝突判定
直進1DモデルからのAEBシミュレーター2D化の記録。世界座標系と車両座標系の使い分け、車両諸元から4端点・タイヤ位置を算出する設計、OBB(SAT)衝突判定の実装、CCFtapプロトコル幾何との整合を追試できる粒度で書く。
- AEB が「効かせない判断」も性能である ― 介入リスクの構造
不要作動・おせっかい作動・後突リスクという介入の負の側面を実務目線で整理。感度と誤検知のトレードオフ、規制が求める不要作動抑制、ドライバー受容性まで扱い、「効かせない判断」が回避性能と同等の設計課題であることを示す。
- AEB はどう止める? ― 警告からフルブレーキまでの作動シーケンス
AEB の「検知→FCW 警告→自動制動→フル制動」という時系列を定性的に解説。制動力の立ち上がりがなぜ重要かを現場感覚で説明し、設計で考慮すべき要素を整理する。要件マップの緑/黄/赤の分かれ目を理解するための入門記事。
- 検知は「点」ではなく「継続」 ― トラッキングとロスト対策
センサが対象を「1回検出する」ことと「追い続ける」ことは別の問題だ。サンプリング周期・遮蔽によるロスト・トラッキングロジックの設計観点を、センシング要件の基礎記事に続く「時間軸の継続性」として解説する。
- 人はどうやって事故を防いでいるか ― 認知・判断・操作と ADAS の役割
運転は「認知→判断→操作」の連続であり、事故はこの輪のどこかが崩れたとき起きる。人間の各段階の弱点を整理し、FCW・AEB などの ADAS がどこを補うのかを対比形式で解説する。予防安全を学び始める人への入門記事。
- 停止車両と走行車両で変わる追突回避の要件 ― CCRs と CCRm
Euro NCAP AEB 試験の CCRs(停止対象)と CCRm(20 km/h 走行対象)を比較し、必要制動距離を決めるのが「絶対速度」ではなく「相対速度」である理由を元予防安全開発者の視点で解説します。センサ要件・AEB 介入タイミングへの設計含意にも触れます。
- 開発日誌(1) 基盤構築からCCRsデモ・ブログ基盤まで
2026-06-07 の開発初日全記録。Astro 6 土台の確立、JSONスキーマ v0.1.0 とCCRsシナリオの策定、2D俯瞰デモの稼働、ブログ/ニュースのコンテンツ基盤構築を追試できる粒度で書く。
- 開発日誌(2) 移動ターゲット対応とシナリオ切替
3トラック並行稼働の第1バッチ記録。CCRmシナリオ追加・kinematics.tsの移動ターゲット一般化(相対速度モデル)・scenarios.tsレジストリ新設・OverheadDemoのシナリオ選択UI化を追試できる粒度で書く。
- 最終制動点と必要制動距離 ― 予防安全設計の出発点
一定減速度での必要制動距離 v²/(2a) を丁寧に導出し、「最終制動点」の物理的な意味を解説。停止対象から移動対象への一般化と、センサ検知距離・AEB 介入タイミング・必要減速度を逆算する予防安全設計の考え方を開発者視点で論評する。
- 開発を始めます — このサイトで作るもの
事故シナリオごとの「回避必須要件」を、ブラウザ完結の可視化で示す技術リファレンスの開発ブログを始めます。最初の代表シナリオデモを公開しました。
- センシング要件の基礎 ― 検知距離・検知角・精度はどう決まるか
必要制動距離 v²/(2a) を起点に「センサが何メートル先を、何度の視野で、どのくらいの精度で検知しなければならないか」を第一原理から導出。レーダー・カメラ・LiDAR の役割分担と、CCRs/CCRm での精度要件の違いまで、予防安全開発者向けに解説します。
- 反応遅れと制動立ち上がり ― 必要検知距離に効く時間予算
理想の最終制動点式 v_rel²/(2a) に、センサ認識確定・判断調停・ブレーキ油圧立ち上がりの遅れ時間 τ を加えると、必要検知距離がどう押し上げられるかを「時間予算(time budget)」として分解する。AEB 設計の出発点となる考え方を整理する。
- TTC(衝突余裕時間)と AEB 介入しきい値
TTC(Time To Collision)の定義・算出を kinematics.ts の実装と対応させながら解説。最終制動点までの時間との違いを整理し、警告・部分制動・フルブレーキという段階的介入設計のトレードオフを元予防安全開発者の視点で論じます。